ととのう身体、
うごける喜び。
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こんにちは。おおいそ鍼灸治療院です。
今日は東洋医学でいう病因論の一部について、お話したいと思います。
病因、つまり病気になる原因、ですが、次の三つに分かれます。
外因、内因、不内外因。
外因、不内外因の二つはとりあえず置いておいて、今日はその内の内因についてのお話です。
病気の原因が内にある、ということになりますが、この内なる原因となるものが人の感情:怒・喜・思・憂・悲・恐・驚。これを七情と言います。毎日の生活の中で感情の変化は当然ありますし、怒った結果すぐに病気になるという訳でも当然ありません。
程度の問題ということになってきますが、例えば突然激しい精神的な痛手を受けたり(憂い・悲しみ等)、それが長期に渡って続いたりすると人の生理活動で調節できる範囲を超えてしまい、体内の陰陽バランス、気や血・臓腑の機能の失調を引き起こして病気になる、という過程を辿る事になり、専門的にはこれを内傷(ないしょう)とも言ったりもします。
これらの感情、例えば過度の怒りは肝を傷る(やぶる:傷つける)、過度の悲しみは肺を傷る、というように、特定の五臓に対して大きな影響を引き起こすようになってきます。
経絡治療は人体をめぐる『気』を調整する治療ですが、感情が気に及ぼす作用をまとめてみると、
怒れば→気は上昇
喜べば→気は緩む
思えば→気はかたまる
憂えば→気はちぢむ
悲しめば→気は消える
恐れれば→気は下降
驚けば→気は乱れる
以上は感情が気に影響し、その時の気の動きを説明したものですが、次のように言い換えてもよいかもしれません。
怒れば→カッとなって逆上
喜べば→嬉しくて気がゆるむ
思えば→思うところがあって気がふさぐ
憂えば→気をもむ
悲しめば→悲しくて生きる気力も無くなる
恐れれば→恐ろしくて腰が抜ける
驚けば→驚いて気が動転する
今の日本語の中に残っている表現です。こうしてみると何気なく普段使っている言葉の中にも『気』という言葉はかなり多いことに気づきますね。
怒りや悲しみ、恐れなどが過ぎると何となく身体への影響は良くなさそうですが、喜びが過ぎて…というのはちょっと分かりづらいかもしれません。ですが、「気が緩んで」風邪を引いたなんてことは聞いたことあると思いますし、そう実感したことのある人もいるでしょう。
少し話がそれますが、頭痛には血管が収縮した時に起きるものと拡張した時に起こるものとがあります。
慢性的に頭痛に悩まされている人もいれば、なぜか土日に頭痛が起きる人もいます。休みの日に限って。
こういう時の頭痛は拡張型の頭痛で、平日の仕事が終わり緊張が解けたことによって血管が開き頭痛を引き起こしてしまう。
これも「喜び」によって「気がゆるんだ」結果起きた病変と言ってよいかもしれません。